皆さんこんにちは、こんばんはsinriです。
前回のオイル交換から1年が経過してしまいました…。メンテナンス周期としてはかなり良くありません。
それほど距離を走っていないので少しはマシですが、今回交換したときに入っていたオイルの色はとても濁っていたのでVERSYSには悪いことしたなと思います(-_-;)
なぜここまで遅れてしまったのかの一因にオイルフィルターの交換方法が良く分からなかったからというものがありました。
外しても元に戻せなかったら…と不安がよぎって先延ばしにしてしまいました。また工具の選定を間違えまくって金銭的に少々辛い目にも遭いましたよね…。
オイルフィルターの交換時にトルクレンチ入らない問題。締め付けどうしたらいいのかも解決してきました!
今回のオイル交換の様子とオイルフィルターの交換時に使用する工具類について辿り着いた正解をご紹介いたします!
今回使用した工具・部品類
前回はオイルフィルターの交換無しで、オイルのみ交換したためもう少し少ない工具で作業出来ましたが、今回はレンチ類が増えています。
純正オイル Kawasaki R4 SJ 10W-40
交換したオイルは前回の残りの純正オイルR4を使います。VERSYSは一回の交換で2.2L程使用するので1L缶を追加で購入しました。
オイルに詳しくないためどうしても純正を選んでしまいます。次回は別のオイルを試してみたいですね!
今のところまた純正ですが冴強、冴速が気になっています。でも高いんですよね…(^^;
気になった方はこちらからどうぞ。
オイルフィルター 純正品
オイルフィルターも純正品を使います。理由はフィルター交換の経験が無く失敗したときにフィルターが悪いのか、交換作業の方法が悪いのか判断が付かないからです。
まあ値段も大きく変わらないので冒険せず安心を選びました!代替用の市販品もサイズさえ合っていれば問題ないと思いますけどね。
フィルターレンチ デイトナ
フィルターを交換する際に取り外しと取り付けに使用します。
オイルフィルターは特殊な形状をしているため、素手で取り外せても適切なトルクで取り付けられないため上記の工具を使い締め付けます。
フィルターレンチの情報が無くおそらくはまるだろうと思ったデイトナの製品を購入しました。
結果は問題なくしっかりはまり適切なトルクで締める事が出来ます。
対応ソケットは17㎜になります。
ドレンワッシャ
ドレンボルトとの間に挟むドレンワッシャは前回の残りを使用します。
オイル交換後にオイル漏れ等は無く安心できる製品です!しかも安いので助かります。
前回のオイル交換と同様の性能を発揮してくれることでしょう。
トルクレンチ
前回は友人の高級トルクレンチを借りましたが、今回は借りられないため今後を見据え購入しました!
VERSYSのオイル交換に必要なトルク値は、ドレンボルトが30N・m、オイルフィルターが17.5N・mの2つが最低限必要となります。
オイルフィルターの方が低いトルク値を必要とするため、嵩張りますが2本に分けて購入しました。(良い製品だと1本で済むが高い…)
トルクレンチを購入する際に気を付ける必要がある点は以下の3点です。
- 測定範囲(トルク幅)
- 差込角
- 差込角毎の対応ソケット大きさ
最も重要なのが測定範囲。範囲に当てはまらない製品を使用しても求めている力で締め付けが出来ません。
次に差込角と対応ソケットです。今回はドレンボルト、フィルターレンチともに17㎜のソケットで締める必要があります。
17㎜ソケットが使用できるのは差込角9.5㎜または12.7㎜のレンチが一般的です。
低トルク用のトルクレンチでは差込角6.35㎜が多く、差込角変換アダプターが必要になる可能性があります。
今回私はこの辺りを良く知らずに購入したため、差込角6.35㎜と12.7㎜のトルクレンチを購入してしまい出費が重なりました。
この記事を読んで下さっている皆さんは、同じ失敗をしないように注意して下さい!
ドレンボルト用(30N・m)
こちらのトルクレンチセットは差込角12.7㎜、トルク幅28~210N・mで精度3%かつ17㎜ソケットがセットで付いてきます。
ドレンボルトを締め付けるだけならこれで問題ないです。
オイルフィルター用(17.5N・m)
オイルフィルターの締め付けにはこちらのトルク幅5~25N・mのものを使います。
このトルクレンチにはソケットが付いていませんので、ソケット単体で購入してください。差込角が9.5㎜なのでアダプタ無しで差込角9.5㎜用の17㎜のソケットが使用出来ます。
その他おすすめ 1本で済ませるなら!高機能のものを求めるなら!
少し値段が張りますが(約11,000円)1本で済むのはこちらのトルクレンチです。
デジタル式で値が見やすく設定がしやすい。また規定トルクに到達すると音で知らせてくれるタイプなので使いやすいです。
差込角9.5㎜なのも良いところ。ソケットアダプタを使えば6.35㎜でも12.7㎜用のソケットでも使用できます。
値段で言えば上の2本を購入するのが安いですが、機能性や収納性を考えると少々高くてもこちらがよかったかもしれませんね。
VERSYSの整備のみならおススメです!
車の整備でもトルクレンチを使う予定の方は差込角12.7㎜用の大きなソケットが必要になる場合があるので上2本の購入をおすすめします。(そもそもバイクよりも高トルクが必要な場面がある)
ソケットレンチ
トルクレンチがあれば本来ソケットレンチは無くても作業出来ますが、私はソケットが欲しかったのと緩める時にトルクレンチを使用出来ない事を考えて、様々なサイズのソケットが入ったセット製品を購入しています。(よく考えれば無駄な出費…)
今回はこちらを購入。目的の17㎜ソケットと差込角9.5㎜のソケットレンチがセットになっています。
その他にも様々なサイズのソケットが同梱されていますので、どこか別のボルトを緩めたり締めたりするときに活躍が期待出来ます!
でも当分VERSYSでしか使わないのでほとんど必要無かったかな(^^;
今回の主役 トルクアダプターセット
オイルフィルターの交換時に純正マフラーのパイプが干渉して、トルクレンチが入らない問題に直面しましたが、この製品のおかげで何とか交換することが出来ました!
差込角9.5㎜の延長アダプターになります。19㎜と17㎜の2点セットになっていてお得です。
有効長50㎜延長して作業が可能なので、干渉部分を避けてトルクレンチを使用可能になります。
初めは手で調整する通称手ルクレンチで感覚で締めようと考えていましたが、普段整備を行わない私には難易度が高く感じ何とか工具を使って近い値を出したいと考え辿り着いたのがこの製品です。
レンチの長さが変わるため何N・mかけるか計算が必要になりますが、簡単な計算式なのでどなたでも使用出来ますよ!
この製品を使ってオイルフィルターを締めることをおすすめします!
その他
後は廃油処理BOX(余裕を見て4.5L)、オイルジョッキ、ニトリル手袋、飛んだオイルを拭き取る用のウエスを用意して準備完了です。
あと今回はトルクアダプターに接続するため差込角変換アダプターも追加で購入しています。
差込角6.35㎜のトルクレンチを購入した方はこちらの購入も必要です。(6.35→9.5㎜に変更する)
4つの変換アダプターで600円程で購入出来るのでとりあえず買っておくのも良いですね。
いざオイル交換!
長い前置きになりましたがオイル交換の作業風景を紹介します!
とは言ったもののオイルフィルター交換部分以外は前回のオイル交換とほぼ変わりはありませんが…
前回のオイル交換の記事も参考になるかも?
早速作業を進めましょう!
まずは車体右側のエンジン部分を覆うカバーを取り外します。六角頭のボルトで3箇所(赤丸部)留められているので、4㎜(車載工具にもある?)の六角で緩め取り外します。
ドレンボルトが見えるようになりますので、廃オイルを受ける用の廃油処理BOXをドレンの下に広げておきます。
前回の処理BOXは紙タイプの吸収材が中に入っていましたが、今回買った処理BOXは綿みたいなものが入っていました。
この手の製品はどのメーカーもそれほど変わり無いかと思っていましたが、中身が違うことがあるのですねー。個人的には綿の方が良く吸収してくれそうで良いですね。
交換前のオイルの色を覗き見すると…
少し濁った飴色になっていますね。交換サイクルを空け過ぎました。
ここまで放置していると異常が出そうで怖いですね。
オイル処理BOXをドレンボルトの方向に合わせて配置しいざ排出!
オイルを入れた当初は黄金糖のような色の透き通ったオイルだったのに、ここまで汚れてしまいます。
前回残ったオイルの色もこの色に近づいていたので、酸化していくとこのような色となって劣化していくのかもしれません。
全て出し切ったらドレンボルトにドレンワッシャを通し締めこみます。写真は撮り忘れました…(^^;
ドレンボルトは30N・mで締めるため、28のメモリから+2で固定します。
固定が出来たら17㎜のソケットを先端に装着して、ガチッと音が鳴るまで少しずつ回していきましょう。
余りにも回しすぎと感じたら締めるのを一度やめて、ボルトを緩めて再度回して音が鳴るまで回すのが良いと思います。
締めすぎてボルトが折れてしまう事が一番怖いですからね…
オイルフィルター交換
ドレンボルトを締めたら次はオイルフィルターの交換を行います。
本当は同時にオイルを抜いても良いのですが下でオイルを受ける箱のサイズが小さく、ドレンとフィルターから出るオイルを同時に受けられないため順番に作業を行います。
冒頭で述べましたオイルフィルターの問題が次の写真になります。
画像を見て頂くと分かるようにフィルターとパイプの間に空間がほとんどなく、フィルターレンチを被せトルクレンチにソケットを装着した状態で間に入れる事が出来ません。
外すときは頑張って手で回せば取り外せますが、締める時にトルクレンチが使えないと締め具合が感覚になってしまう…締めすぎて壊れるのも緩くてオイルが漏れるのも怖い…という状態になります。
その解決法はオイルフィルター取り付けの時にご紹介します!
それではフィルターを外していきましょう。いきなりがっと外すとどうなるか分からず怖かったのでゆっくり緩めました。
フィルターを緩めていくとフィルターの中に溜まっていたオイルがこぼれてきました。
ドレン側に溜まっていたオイルとは別で結構な量が残っていますね。これがフィルター交換時に必要なオイル量の増加分ということなのでしょう。(通常2.0L,フィルター交換時2.2L)
更に緩めていき完全に取り外すとまたオイルがドバっと出てきます。
こんなにもオイルが残っているのか…と驚きました。バイクって組み立てた事が無いので構造が不思議ですね。
取り外したオイルフィルターと新品のオイルフィルターを見比べてみるとこんな感じでした。
見た目左の方が少し細く見える?と思いましたが変わりはありませんでした。
オイルが穴から出終わったら取り付けて行きます。
オイルフィルターの接続側にあるゴムにオイルを塗ってから取り付けます。塗るオイルは今取り出したオイルでも、入れる新しいオイルでもどちらでも良いみたいです。
今回は新しいオイルを塗ってみました。気持ち的に全部新しくするならと思ったので(^^;
途中までは手で締めます。ある程度締めたらトルクレンチの出番です!…と言いたい所ですが先ほどの問題を解決しなければトルクレンチは使えません。
そんな時に使えるのがこれ!(通販風)
トルクアダプター
秘密兵器の登場です!こちらのトルクアダプターをソケットの代わりに使用することで、先を50㎜延長し狭い空間に入り適切なトルクで締める事が可能になります。
ただし、トルクレンチの長さが変わる事によって先端に掛かる力が変わるので、設定するトルクを計算し直さなければなりません。
冒頭で述べた通り計算式は簡単で画像の内容になります。
$$延長時の設定値=\frac{本来設定したいトルク値×トルクレンチの有効長}{トルクレンチの有効長+延長する長さ}$$
私が使うトルクレンチの有効長は約210㎜、本来設定したいトルク値は17.5N・m、延長する長さは50㎜のため計算すると
$$\frac{17.5×210}{210+50}=約14.1N・m$$
となりますので14.1に近づく様に設定します。
13のメモリに+1.1で14.1N・mを設定します!
設定は完了で次にアダプターを取り付けます。
トルクアダプターは差込角9.5㎜用で私が購入したトルクレンチは差込角6.35㎜のため、差込角変更アダプターを取り付けて、更にトルクアダプターを取り付けるという二段構えになりました。
接続部が増えて折れないか心配でしたが折れませんでした。(これがあるから皆さんは差込角9.5㎜のトルクレンチを購入しましょうね…)
フィルターレンチを使って締めて行きましょう!
アダプターが見事に隙間に入って締める事が出来ます!
これで感覚頼りにならずとも17.5N・mに近い力で締め付け出来ます!(※あくまで近い数値です。計算時に誤差があるため完全に同じ値ではありません)
VERSYSユーザーでマフラーを純正から変えていない方にとっては本当におススメ出来ます。
締め付けたら最後にオイルを入れましょう。
新しく購入したオイルジョッキに入れてオイルを注入していきます。
約1年蓋を締めていたとはいえある程度酸化は進んでしまっているようで色が飴色に近くなっていますね…。
新しく購入した1L分は黄金色だったので、最低でも半年ぐらいのペースで消費しておけば良かったなと思いました。
何度かエンジンを回してフィルターにもオイルを回していきます。
エンジンを回す→オイルを入れる→エンジンを…を繰り返しレベルゲージにオイルが出てきたところでオイルを加えるのをやめます。
見違えるほど良い色になりましたね!綺麗に透き通っています!
今回はオイルを2.4Lほど使用しました。
VERSYSって何故か規定量より欲しがりますよね…。エンジンを回していくとさらにフィルターに吸われると思うのでもう0.1Lは使いそうです。
最後にオイル処理BOXの袋を縛って終わり!お疲れ様でした!
おわりに
今回はオイルフィルターの交換も交えて記事を書いてみました。
初めてのフィルター交換でしたので緊張しましたが、上手くいって良かったです!
トルクレンチが入らない問題には頭を悩ませられましたが、解決法を導き出せて今後も安心してオイル交換が出来そうです!
皆さんも困ったらこの方法で試してみて下さいね!それではまた。
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